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栄養レシピ&コラム 2017年公開分
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国内消費量第1位の果物 バナナ

国内消費量第1位の果物 バナナ

 手ごろな価格で一年中手に入り、今ではコンビニでも買うことができるバナナ。栄養価も高く消化や腹持ちが良いことから、朝食や間食に食べている方も多いのではないでしょうか。
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 総務省統計局によると、日本国内で最もよく食べられている果物が、みかん、リンゴをおさえ連続1位をキープするほど人気の高い果物です。そんな身近で良く食べられているバナナですが、50年以上前はまだ特別な食べ物で、今の値段でいうと1本1000円以上もしたそうです。1本のバナナをひとりで食べるのは当たり前ですが、昔は1本のバナナを家族で分け合って食べることも珍しくなかったようです。
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 エネルギーに交換する時間が短いことから「ミラクルフルーツ」と呼ばれるバナナは、ビタミンB1やビタミンB2、ナイアシンなどビタミンB群を豊富に含んでいます。ビタミンB群は補酵素として代謝に関わる働きをするビタミンで、エネルギーをつくる時に重要な役割を果たします。不足すると、口内炎、皮膚炎、倦怠感など様々な体の不調が起こります。また、カリウムも豊富で果物の中でも多く含まれています。カリウムは血中のナトリウムを尿として排出する働きがあり、血圧低下、むくみ防止の効果が期待できます。カリウムは水に溶けやすい性質があるため、調理せずそのまま食べられるバナナはカリウム補給にピッタリです。
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 バナナは栄養価が高いため、一度バナナを収穫した畑は栄養分を失い、しばらくの間は作物を育てることができないそうです。そのくらい栄養を含んでいるバナナですが、近年バナナを絶滅させ得る病気「新パナマ病」がアジアで蔓延しています。この病原体はバナナの木を枯らしてしまうカビの一種で一度かかると治らない病とされ、ここ数年被害が拡大し問題になっています。日本で売られているバナナの大半はフィリピンからの輸入に頼っており、フィリピンでも新パナマ病が流行していることから、バナナが食卓から消える・・と一時は騒がれました。しかし新パナマ病が確認されていない遠方からでもバナナは輸入されるので、バナナが食べられなくなる心配はないようですが、これ以上病気が広がらないことを願います。
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 バナナをしばらく置いておくと黒い斑点があらわれます。これをシュガースポットといいます。通常のバナナと比較すると8倍も免疫機能が上がり、酵素も増え吸収されやすくなります。成熟していく過程で抗酸化物質も増えていき、さらにはガン細胞や異常な細胞を壊す物質を作り出す働きをしてくれます。買ってきたらしばらく置いて、シュガースポットが増え甘みも栄養もアップしてから食べる方がよいですね。
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 バナナを低温で保存すると鮮度が落ちてしまうので冷蔵庫に入れるのは避けた方がいいでしょう。15~20℃が適温とされています。バナナはエチレンガスを出すので、他の果物や野菜を一緒に保存しておくと成熟を速めてしまうので注意しましょう。
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 バナナは南国の果物のため体を冷やす作用があるので、食べ過ぎると下痢や便秘の原因になることもあります。一日1~2本程度を目安に食べるとよいでしょう。赤ちゃんからお年寄りまで好まれ、持ち運びやすく、そのまま食べることができる栄養満点のバナナ。朝食や甘いおやつのかわりにバナナを食べて健康な毎日を過ごしたいですね。