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栄養レシピ&コラム 2018年公開分
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サバ缶を常備しよう!

サバ缶を常備しよう!

 魚を食べていますか?健康のためにも1日1食は魚料理を、なかでも青身魚は積極的に食べたいものです。そこで最近、注目されているのが「サバ缶」です。
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 サバやイワシ、サンマなどの青身魚には、DHAとEPAという脂質が豊富に含まれていることはご存知だと思います。どのような効果があるのか、少しおさらいしてみましょう。まずDHA(ドコサヘキサエン酸)は、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪を低下させ、高血圧や脳卒中、動脈硬化や心疾患などの予防効果があります。また、認知症予防やストレス軽減効果、アレルギー疾患予防、さらには脳を活性化させ、集中力や記憶力を高める効果も。子供から高齢者まで欠かせない脂質であることがわかります。
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 EPA(エイコサペンタエン酸)は、血管をやわらかく保ち、血栓をできにくくする、いわゆる血液サラサラ効果が期待できます。また中性脂肪を低下させる効果はDHAよりも高いとされます。
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 このような効果は缶詰にすることで、効率よく得ることができます。DHA、EPAは水や油に溶けやすいため、調理中に一部流れ出てしまいます。また、空気に触れることで酸化しやすく、酸化によって有害物質になることも。「サバの生き腐れ」と表現されるように、青身魚の鮮度は落ちやすいのです。サバ缶はサバを鮮度のよいうちに缶に詰めてから、高温で加熱されます。溶け出したDHA、EPAは缶汁に含まれており、また脱気されるため酸化が抑えられ、長期保存が可能に。ですから、缶汁を残さずいっしょに食べるようにすれば、損失することなく摂取できます。
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 さらにサバ缶のよいところは、骨までやわらかく食べられ、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも多く含まれているので、カルシウムの供給源としても有効です。サバ缶には、水煮とみそやしょうゆなどで味付けされたタイプがあります。水煮の塩分は、100gあたり1gほどで、煮汁には旨味もたっぷり含まれているので、缶汁ごと使えば控えめの味付けでも十分美味しいです。味付けのものは、その味をいかして調理すれば、調味料を加えなくても十分です。
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 おすすめのサバ缶料理を紹介します。せん切りレタスの上に、水煮のサバ缶を缶汁ごとのせて、オニオンスライスをのせます。レモン汁としょうゆ、もしくはポン酢をかければ出来上がり。子供向けにはマヨネーズを。トマトやきゅうりなど他の野菜でもよく、サラダだけでは不足する栄養が摂れ、メインにもなります。もう一品は、ざく切りにしたキャベツをなべにたっぷり詰めて、味付けのサバ缶を缶汁ごとのせて、しょうがのせん切りと酒を少量加えて、ふたをして弱火でキャベツがしんなりするまで蒸し煮にします。サバ缶の味付けのみで美味しく食べられます。水煮であれば、しょうゆ、みりんなどを加えてください。
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 ちなみにサバ缶は製造後すぐよりも、半年から1年たった頃が、味がなじんでいちばん美味しくなるそうです。賞味期限は製造から3年程なので、逆算してみるといいかもしれませんね。サバ以外にもイワシやサンマの缶詰もあります。魚料理は面倒と敬遠しないで、缶詰を常備して活用し、もっと食卓に魚を増やしてみませんか。